主幹ブレーカーをNFBからELBへ交換しました。
得意先の工場からの依頼で漏電対応をしてみました。
とぶのは大元のELB(漏電過負荷兼用)300Aブレーカ。
デカっ。
「とぶ時は一日何回もとぶ」
「とばない時はずっと1ヶ月位とばない」
「とぶタイミングはまちまちで工程との規則性は見られない」
・・・よくある原因不明って奴ですね。
「大元がとんじゃうと機械全体が止まってしまうから
生産途中の商品も全て破棄して
一から立ち上げ直さないといけない。
復旧がかなり大変なんだよね。
せめて大元はとばないようにしてくれれば・・・」
お客様がお困りなので対策をいろいろ考えます。
こちらの機械は全長200m位のラインで各工程に動力盤・制御盤が
いくつもついた複雑なシステムなのですが
この手元盤一ヶ所だけ、主幹がMCB(モーターブレーカ)になっています。
他の盤はEB(漏電ブレーカ)かELB(漏電過負荷兼用ブレーカ)が
ついているのですがどうしてでしょう?。
大元の主幹漏電ブレーカが作動するより早く分岐した動力盤や制御盤の
漏電ブレーカが作動してくれれば電源が切れるのは一部分で済みますね。
もしかするとこの盤に繋がった設備のどこかで漏電して
この盤ではとばないので大元がとんでしまうのかも・・・。
一応一通りの絶縁測定をしましたが目立った漏電も無く設備全体の
合計でも大元がとぶほどの漏電はありません。
つまり作動中に何かの要因で漏電するのでしょうか。
対策として
1・主幹ブレーカをELBからNFB又はMCBにして漏電ではとばないようにする
2・この盤の主幹をELBにすることで分岐ブレーカを全てELBにする
の2つを対策するのがベターです。
しかし大元の300AをNFBにすると色々付帯工事が発生して工事費が
結構な金額になってしまいそうです。
一例を上げると昔のサイズなので既存の入れ替えだと同じ場所に収まらない
>動力分電盤の交換が必要
>周辺の電源配線を全てやり直す可能性がある
予算の関係で対策1は見送り、対策2.のみ発注いただきました。
次善の策ですがこの盤のELBがとべば
「この盤に繋がった設備の何処かが原因」と推測できるので
次の一手に繋がります。
ビフォー
アフター
(保護協調するために漏れ電流の感度の選定に気を使いました。)
工事後、しばらくして様子を伺いましたがそれから一度もとんでないそうで
原因は究明できていません。
担当者としてはチョッピリ残念な気がしますが
御客様にとってはこのまま収まってくれるのが一番です。
御依頼ありがとうございました。