避雷針取付の見積もりですか?

 市内の事業所様より避雷針取付の見積依頼がありました。

ちなみに避雷針とはこれ。

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 (緑の矢印の先っちょ、尖がった針みたいなところ)

雷被害を防止するための設備です。

 

よく言われるのが

「落ちる雷を誘導して任意の場所に落とす」

というものですがこれも全く間違いではないですがあくまで次善の策。

本来は「空間と対象物の電位差を解消して雷を落ちにくくする」のが第一義。

地面に雷を誘導するのはあくまで電位差を解消しきれなかった時の安全策です。

 

また、いったん雷が落ちると順調に銅線を流れて地面に流れたとしても

大電流が流れることで周辺に様々な悪影響が出るので

なるべく落ちてほしくはないですね。

この辺の詳しい話が聞きたい方は「はらでんフェスタ」へお越しください。

図解で説明させていただきます。

 

 御客様「消防署に既存の灯油スタンドに避雷針が必要だと言われた。

     取付工事を見積もりしてほしい」

 当社「????」

なぜ?が並ぶかというと避雷針が必要な建物や設備かどうかは

建てる前、建物を設計する段階で決まります。

必要な物がないと建築完了検査が通らないので建築の元請会社

(の下請け電工など)が建物と同時に施工するのが普通です。

 

ですからそこに避雷対象物があるのに避雷針が無いというのは

通常ありえないのです。

当社の前身となった林電気工事株式会社で1件、2件だけ

避雷針の後付け例がありますが大変珍しい特殊な例です。

 

御依頼いただいたからには兎にも角にも伺って現地調査です。

現地を確認させていただくと年季の入った灯油スタンド。

ひととおり経緯を伺ってから消防署に相談に行きますと

いろいろややこしいことになっていました。

 

「書類上は昭和41年の建設当時に避雷針があったことになっている

(何故設置されなかったかは不明)」

「消防署としては復旧でいいのだが業者としては新設になるので

設備費用がべらぼうに高くなる(当時は旧JIS規格だったが現在は

新JIS規格なので基準が厳しくなっている)」

「20年ほど前にも避雷針の未設置で指摘を受けたが電柱のテッペンに

接地線が走っていたので免除された?」

「都市計画で電線の地中化と電信柱の撤去が進み

避雷針の機能を肩代わりしていた接地線が無くなってしまった」

「現状では避雷針必要、とにかく設置基準を満たさなければ灯油スタンドの

使用停止

「仮に建てるとして都市計画のエリア内で10m近くなると予想される

避雷針ポールと支線を建ててもいいのか?場所は?」

 

 

などなどわからない人には全くわからず、

我々のような電気屋でも頭を抱えてしまいそうなややこしい話が

続々と出てきます。

 

 とりあえず当社として可能な工事を見積もりさせていただき

見積もりのみで終了になりました。

(他社で先に見積もりが出ていたようなのでそちらで工事されたのか

そのまま灯油スタンドを廃止されたかどうかは不明です)

 

社長さんが

「燃料系の地下タンクの寿命は40年。

この設備は現状必要性薄いしあと数年でタンクそのものが寿命なので

多額の費用かけ継続するよりそのまま廃止するかも」

 と言ってみえたのでそのまま廃止されたのかもしれません。

 

ちょっと骨折り損なところもありますが、いろいろ勉強になりました。

御問合せありがとうございました。

 

 



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