盤カギの交換です。
「盤カギ」と言われても同業他社以外の皆さんには「??何のことやら」ですね。
建物の壁面にキャビネットと呼ばれる鉄の箱が付いていて
中に電気のメーターやブレーカーやらが収納されています。
こんな箱や、
あんな箱をよく見かけますね。
操作やメンテのために開閉できるようになっているのですが
簡単に開け閉めできると悪戯でブレーカ―を切って停電させたり
子供が遊んで感電したりしたら大変です。
そこで関係者は鍵を持っていて開け閉めすることになっているのですが
これがちょいちょい壊れるのです。
まあ鍵という割にはそれ程頑丈ではありませんし、
乱暴に扱われがちなのも壊れる原因ではないかと思われます。
鍵を紛失しても面倒なのか経費を掛けたくないのか
無理やり針金で開け締めしていて結局壊してしまった、
という事例も頻繁にみかけます。
さて今回は電灯引込盤の鍵が壊れたとのことで依頼がありました。
現地調査に来ました。
鍵穴を使うため蓋をスライドさせてみると・・・
なんとビックリ!。
蓋が落ちてしまいました。
(私が壊したのではありませんよ、念のため)
鍵自体も変なクタびれ方しています。
(前述の針金っぽい跡ですね)
メーカー問い合わせと見積、受注いたしました。
替りの部品を取り寄せていよいよ交換です。
ちなみに商品名は「キーハンドル」。
今回は電気の引き込み盤なので「封印付キーハンドル」を選択しました。
まずは既存部品を撤去。
全体は何度も塗り替えしてますが鍵部分は塗れないので
接触部分が錆びてきます。
そこで、まずは錆落とし。
マスキングして
ローバル(溶融亜鉛メッキ)塗布処理。
新品の鍵を取付して、
完了です。
鍵自体は汎用品ですが内側の部品がオーダー品(ひょっとして自作かも?)
だったらしくちょっと手間取りましたが無事に終了できました。
(諸事情により内側はお見せできません)
「錆落としやローバル錆止めなどは儲けにならない部分なので
あまり一生懸命やってもしょうがないぞ」という意見もあるのですが
後日錆びが広がったら、それが原因で扉がダメになったら、と
考えると手を抜けない部分です。
同業他社より弊社が割高だとしても依頼をもらえるのは
値段の差をこういう部分の価値として認識されているから
依頼があるのだと勝手に解釈させていただいています。
鍵が壊れたままで半開きの扉をガムテープで留めたりしているのを
見かけたこともあります。
水が入ると漏電でブレーカがとぶだけでなく
ブレーカそのものが壊れて停電が復旧できないことも考えられます。
ましてや感電や短絡(ショート)の事故が起こると大変なことになりますよ。
(沖縄の首里城も白川郷の茅葺き小屋も電気系統からの出火が疑われていますね)
壊れたらキチンと修繕し、適切に使用していきましょう。
御依頼いただきありがとうございました。