マンションのエアコン取付は意外と大変です。その1
得意先のリノべ会社から依頼があり市内のマンションで
エアコン取付工事をしました。
「マンションは壁に穴が開いてるし、手間が少ないんだから
その分安くしてくれるでしょ?。」
と言われることが多いのですが、実はそうではありません。
壁の穴が開いている=穴に合わせて取り付けしなくてはなりません。
しかもマンションの鉄筋コンクリートの構造的な都合なのか
特定のメーカーや機種に合わせると他のメーカー・機種を
取付できないと考えたのか、
昔はこの寸法が当たりまえだったのか、
貫通スリーブが変な位置に開いてることが結構あります。
今回のお部屋もその一例。
通常の左抜きで室内機を取付してしまうと壁コンセントが
室内機の裏に隠れてしまいプラグコードが挿せなくなってしまいます。
(スペーサーなどでコンセント分の空間を作って
背中で挿してから取付する裏技も無いことは無いのですが
美観の問題と本体故障時にコンセントが抜けないと困るんで
よほどのことが無い限り使えない荒技です)
更に今回はカーテンレールの干渉と天井の梁が下がっていることも
計算しなくてはならないので余計に厄介です。
仕方ないのでこのような取付になりました。
今回は床方向へ下げる曲りと左横方向への曲り、壁面から貫通穴方向への曲りが
組み合わさっているので大変です。
収めるのに二人がかりで悪戦苦闘しました。
その2へ続く
追記:
冷媒配管は銅の筒なので自在に曲がるように思われていますが
6.35mm(通称二分管)ならともかく9.52mm(通称三分管)の配管では
半径10センチの曲りがいいとこです。
ちなみにその上の通称四分管になると外径12.7mmとなり更に厳しいです。
ベンダーを使って小さく曲げる工法も無いことは無いのですが
今回のように一曲りを直角に曲げるのではなく複数の要素を組み合わせるのは
とても難しいです。
「マンションのほうが一軒家より楽でしょ?。」
「いいえ。
オートロック、
エレベーター、
長い共用廊下や広いエントランスを延々と移動、
スペース確保の為の室外機天吊り取付、
既設貫通スリーブの位置の悪さ、
共用駐車場の不足や使用制限
などなど、
一軒家の3倍くらい手間と時間がかかることがあります。
お客様各位におかれましては御理解のほどよろしくお願いします。