紡績用可搬式ブロワ―を触るとビリビリする?

 今回修理したのは

以前UPしました「可搬式ブロワのマグネット交換です」の兄弟機です。

こちらに機械には銘板が残っているので見ると昭和41年(!)製造です。

私より先輩です(笑)。

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今回の御依頼は

 「ブロワ―を触ったまま紡績機械や鉄骨の柱に触るとビリビリする」とのこと。

 

早速調査です。

自分も触ってみましたがビックリするくらいビリビリしてます。

機械と地面、鉄骨などの間をテスターであたるとシッカリ202V出ています。

完璧に漏電です。

端子で外して電源ケーブルのみの状態で測っても電圧出ているので

電源ケーブルのどこかで被覆が切れて芯線が機械に接触しているのでは

と思われました。

あちこち眺めていると・・・ありました。

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巻き取り式のコードリールの付け根で芯線が見えています。(写真矢印)

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早速修理・・・でもこれ、どうやってはずすんだ?。

 

外側のガードはボルトが空回りしてはずれない、

仕方ないのでガードを残したまま内側のリールを分解しスライドさせて外へ出します。

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・・・・なんか絡まって訳わからなくなってきた、元に戻せるかなあ?

 

回転接点を外すと接点のバネがボロボロ落ちるは

はずした部品がもとに嵌らなくなるはで悪戦苦闘。

(古いので)部品の替りが無いのでいろんな意味で緊張します。

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真鍮製の3つのリングが3相の電極になっていてリールが回転しても

電気が流れる仕掛けです。面白いですね

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やっと配線端子までたどり着きました。

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痛んだ箇所を切断して端子を作り直し再接続。

何とか元通りに組み立てて確認すると・・・・まだ漏電しています。

 

うーーん困った。

 

再度見直してみましたがもう漏電しそうなところはありません。

何度も測り直していると漏電する時としない時があるようです。

ひょっとして・・・・と電源プラグ(通称ゴムボディ)を開けてみると

4芯のうち緑のアース線一本が端子から外れています。

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これかあ!!。

外れたアース線が動力線の赤とか白とかに触ると電気を逃がすはずの

アース線を逆流して筐体から人体へ電気が流れてしまうのでしょう。

(詳しく聞きたい方ははらでんフェスタに御来場、ご質問ください)

 

原因が2つあるとは思わず、そのまま終了してしまうところでした。

こちらも修理してなんとか完了できました。

 

この機械は筐体が鉄と真鍮の板と鋳物でできているので重くて重くて。

動かすだけでも一苦労で、一人では蓋も開かない代物ですから

担当の方に手伝っていただいて本当に助かりました。

 

御依頼ありがとうございました。

 

 

 

 

 



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