テレビが映らない=アンテナばかりではありません
得意先の建機整備の社長から電話です。
「昨晩、急にテレビが映らんくなった、
テレビの裏のブースターを自分で買って来て取り換えてもダメ。
なんとかなる?」
・・・電話だけだとよくわかりませんのでとりあえず調査です。
伺うとテレビの裏面に御客様御自身で取り換えられた
TVブースターがあります。
しかし映りません(測定しても電波が来てません)
念のため地上から屋根のアンテナ部分を拝見すると遠目ですが
ブースターやミキサーと思われる物が見えます。
もしや・・・。
「壊れて外したというブースターはまだ残ってますか?」
「あー、これこれ、ランプ点かんくなったからもうダメだろ?」
見ると「ブースター」ではなく「ブースターの電源部」です。
雰囲気は似ているけど機能は全く違います。
ちょっと解説させていただきますと、
アンテナは通常屋根の上など高いところに設置されます。
屋根の上から部屋のテレビまで配線内を信号が伝送される間に
減衰や劣化、雑音の混入などがおきてしまいます。
劣化する前に受信したその場で増幅してから伝送するのが理想です。
信号を増幅するには何がしか電源が要ります。
しかし屋根まで100V電源を引っ張るのは大変ですし後々トラブルの元です。
そこでブースターにはセパレート型と言って増幅部と電源部に別れる商品があります。
屋根の上には増幅部のみ設置して電源部は屋内のテレビ近くなど
100Vコンセントがあるところへ設置すると工事的にも楽ですね。
でも増幅部と電源部との間に電源配線が要るんじゃないの?と気付かれる方もみえるかもしれませんが
「重畳電源方式」と言って信号線に電源電圧をかけて電力供給する仕組みがあるんです。
配線経路的にはちょっとだけややこしくなるのですが状況によっては大変便利な機能です。
(フェスタに来ていただければ図解で詳しく説明いたします)
今回故障したのは「電源部」つまりブースター本体は屋根の上にありました。
役割のちがう「TVブースター」と交換しても映らない訳ですね。
仮設用に持ってきた似た規格の電源部を取付したところ映るように
なりましたので屋根の上の増幅部は無事なようです。
既存の増幅部と対になる電源部代替品をメーカーから取り寄せて
後日、再交換しました。
接触の怪しかった壁端末とプラグも交換して完了できました。
(その間1週間ほど仮設状態で様子見ましたが問題なかったようなので
増幅部は故障してないと判断しました)
こちらの御宅は半地下で屋根が3階建て相当の高さなので
増幅部を調べずに済んで助かりました。
アンテナも途中の分配器もアナログ仕様の年代物のようなので
(電源部の古さから増幅部同じ年代でしょう)次回トラブル時は
アンテナ含め全交換になるでしょう。
訪問当日からテレビが映るように仮設機器で復旧しておいたので
お客様にも大変喜んでいただき立派なデコポンをいただきました。
美味しかったーー(喜)。
御依頼ありがとうございました。