マグネットセパレーターの修理しました。
得意先の工場からの依頼です。
「研磨機の切削液を循環させるのに使ってるマグネットセパレータが動かない。
電源は通じててスイッチも入る。
ローラーとポンプが同時に動く機械でポンプは回ってる。
電磁接触器かサーマルか・・。
診てもらえる?」
(・・・まぐねっと・せぱれーたー って何ですか?・・・)
「どこまでお役に立てるかわかりませんがとりあえず伺います。」
(機械の専門家ではないので)弊社が修理できる可能性は低いのですが
電気が通じていればチャレンジです。
こちらの工場では金属の母材を所定の大きさ、形、穴、に加工して
仕上げで研磨するのですが研磨の際に微細な鉄粉が発生します。
そこで粉塵が飛び散らないよう液体をかけながら砥石を当てます。
当然、冷却も兼ねていますね。
(青矢印:本体から鉄粉を含んだ水が来ます)
切削液はそれなりに高価ですから循環して使い回したいので
液体に溶けた鉄粉をスラッジ(ヘドロ)の状態のままで
磁石のローラーで吸着して水分を絞って回収するのです。
(赤矢印:液体から粘土状のスラッジがじわじわ沸いてくる様子はかなり面白いです)
(青矢印:鉄粉を除去した水はポンプで本体へ戻って行きます)
さて現物を拝見すると御客様の言われたとおりの状態です。
まずはスイッチを点検
内部にヒューズを発見しましたのでこれも点検
モーター側には電磁接触器は無く当然サーマルもありません。
電源直入れで保護はヒューズだけのようです。
モーターへの電源減圧確認ヨシ。
スイッチ入り切り状況も問題無し。
電気系を一通り点検したので各部を開けた状態のままで
感電や巻き込み事故の無いよう細心の注意をしながらスイッチを
ONしてみると何か違和感が。
「・・・・・あっ!、軸は回ってる!」
モーターの軸が回っているのに歯車が回ってない、
スプロケットの固定ビスが緩んで効いてなかったのです。
(ピンク矢印の所が軸で空転してました)
得意先の社長に見ていただいたら、
「電気屋さんの仕事じゃなかったねえ。
助かったよ、ありがとう。」
と嬉しいお言葉をいただきました。
固定ネジをしっかり締め直して試運転。
完了です。
御依頼ありがとうございました。
追記:
今回は気心の知れた(失礼)お得意様からダメ元で依頼され、
調べてみたら運よく原因が判って復旧出来てしまった、
という案件です。
マグネットセパレーターを専門に修理している訳ではありませんので
「うちも頼むわ」と言われても修理できない可能性が高いです。
機械に関しては素人調査なので仕組みを理解する段階で
時間と費用が余分にかかっています。
(本記事の作業では半日以上かかっています)
また、修理できなくても費用はいただいています。
メーカーや機械系商社と御付き合いのある方々は
そちらで頼まれることをお勧めします。